廃妃尹氏(ペビユンシ)の起こした問題行動とは
「インス大妃」ではソンイがありとあらゆる手を使って
側室たちを貶めようとしていましたが、
実際の廃妃尹氏はどのようなどのような問題行動(素行不良)で
廃妃とされたのでしょうか。
●成宗から承恩を受けた宮女を毒殺しようとする(あるいは実際に毒殺した)
●側室である厳(オム)氏・鄭(チョン)氏を砒素を使って毒殺しようとした
●厳氏・鄭氏が子供を産めなくする・産んでも障害を持つようになる妖術をかけていた
●政治にたびたび口を出し、また嫉妬心が強すぎて大妃の反感を買った
ここら辺は、実際の王妃尹氏と描かれているソンイとの差はあまりないように
感じます。
成宗はこれらのふるまいから、
自分が実際に命の危険にさらされるのでは?と感じたといいます。
ところで、これらも廃妃となる十分な要因になったようですが、
成宗にとって一番問題だと感じたのは王子の存在でした。
つまり政治に関心の高い王妃尹氏が、自分を毒殺したあとに
幼い王子を利用し垂簾聴政を行うのでは?と思うようになったのです。
垂簾聴政とは、幼い王に変わって王室の第一人者が国政を担うことです。
つまり成宗を王妃尹氏が殺害し、そのあとで自分のこどもを王に就け、
自分自身が王の代わりとして国を動かす・・・ということになります。
おそらく成宗にとって、嫉妬よりもなによりもこれが一番恐れていたことで、
そう考えると王妃の一番の問題というのは、
「王を害して自分が国の頂点に立ちたいと思っているのでは?
と思えるほど野心が強かった」部分だといえます。
嫉妬が強いだけであれば、もしかしたら廃妃になることまでは
避けられたかもしれませんが、もう成宗がコントロールできないほど
王妃のふるまいがひどいものだった、といえるでしょう。